先日、とある駅のホームでとあるお国の方(Aさん)が困っているところに遭遇しました。
ほぼ日本語ができず、駅員さんとのやり取りに大変苦労しておられるご様子。
何かお手伝いしましょうか?と英語で聞くと180円分の切符と行き先がメモされた紙を見せながら
「ここまで行きたいが、この切符しか持っていない。ここで、目的地までの切符が買いたい」と言いました。
最終目的地まで、JRと私鉄を乗り継ぐ必要があり、
「ひとまず、この駅まではこの180円の切符で行ってくださいとのことです。その駅で精算をし、そのあとまた別の会社の電車のチケットを買って乗ってくださいとおっしゃっています。」と駅員さんの言葉を通訳しました。
180円のチケットだけで遠くまで行けるということが信じられないのか理解できないのか、
(または私の説明が分かりにくいのか)どうしてもその窓口で「チケットを買いたい」という彼。
いやいや問題ないんですと話し、まずこの駅で乗り換えて、そのあとここまで行って、と話しました。
実は私も同じ方向に向かう予定だったのですが、乗る電車は違っていました。
もうすぐ私の乗る電車が来るなあ、と焦っていましたが、中途半端に見捨てることもできず、
「途中までしか行けませんが、一緒に行きましょう」と、同じ電車に乗ることにしました。
ホームで二人で待っていると、さっきの駅員さんが声をかけてきてくださいました。
「実はさっきちょっと見えたんですが、この方の最終目的地なら、このルートだと遠回りです。こっちのほうがいいと思います。」と、別会社のルートまで調べてくださっていました!
お礼を言って、ネットでそのルートで行く方法を探し、スマホの画面を見せながら彼に写真を撮るように言いました。
その後、一緒に電車に乗り込み、
「私はここまでしか行けないが、あなたはこの駅で乗り換えて、ここで降りて、切符を買い直して、、、」と説明していたときに、
電車の中で先に精算をしておけば楽なんじゃないかと思いつきました。
それで、車掌さんが来たときにそのことを伝えたのですが、
「ここでも精算できるんですが、そうすると、自動改札が使えません。目的地の駅には駅員が少ない場合があり、自動改札じゃないと不便になるかもしれないんです。だから、この切符のままがいいと思います。」と教えてくださいました。
そうか、そんなこともあるのか!
お礼を言って、その後はAさんのお国の話しなどを聞いていると、また車掌さんが戻ってこられました。
私たちのことを気にかけてくださっているようです。
「大丈夫ですか?」といって、駅に着いてから精算機にこの切符を入れることなどを説明してくださいました。
ああ、そうだった!
私は普段乗る前にICカードに十分お金を入れているので、精算機を使うことがほぼなく、忘れていました。
いくらぐらい追加で必要か分かっていたほうが安心するだろうと、
車掌さんに金額を聞くと、すぐに教えてくださり、笑顔で私に「ありがとうございます」と言ってくださいました。
ホームでお聞きした駅員さんも、この車掌さんも、とても親切で笑顔があたたかく「ああ、日本はいい国だ」と思いました。
(他の国の駅員さんが不親切だという意味ではありません)
知り合ったばかりではありますが、すっかり打ち解けて、Aさんはスマホに入った写真を見せてくれながらいろんなことを話してくれました。
家族のこと、仕事のこと、お国のこと、日本の印象、どの話も興味深かったです。
仕事柄、外国の方の話を聞く機会は多いのですが、今回、美的感覚の違いについて知ることになり、驚きました。
もちろん、同じ日本人でも美的感覚は違うので、あくまで私の場合です。
何枚か、Aさん自身の写真を見せてくれたのですが、
(怪しい人間ではないと伝えたかったのかも知れません)
「日本には自分に合う床屋がなくて困っている」といいます。
国では、こんなカットをしてくれて、こうやって髭も整えてくれて、、と説明しながら、昔の写真を見せてくれたのですが、
写真の中のAさんは、日本ではみたことのない髪型でした。
そうか、お国ではこんな髪型が美しいとされるのか。
確かに、ニュースなどでは見たことがある気がします。
これはファッションだったのかー。
さらに、昔撮ったという、髭のない写真について「若気の至りで髭を剃っていた時期もあるが、今思えばとても変だった。」と言います。
その写真というのが、驚くほど美形でした!!
これをおかしいという美的感覚が理解できません。
Aさんは、「仕方ないから、今はこんな髪でこんな髭にしている」と言いますが、私にはとても自然で似合っているように見えました。
よく、海外に住む日本人も現地で髪を切るときは日本人のお店に行くというなどという話を聞いたことがありますが、(髪質の問題もあるようですね)
髪の問題は世界共通なんだということを改めて知りました。
話していたらあっという間にお別れする駅につきました。
別々の電車に乗り換えた私たちですが、こうして出会ったのも何かのご縁ということで連絡先を交換していたので、
「そろそろ乗り換えですね」
「そろそろ降りる駅ですね」
とメッセージを送り続け、無事に最終目的地に着いたことを確認しました。
ところで、割と序盤で、お礼にとお国のビスケットをプレゼントしてくださいました。

さっそくいただきましたが、フェンネルシードがアクセントになったとっても美味しいビスケットでした。
旅先で楽しい時間を過ごせますように。