ドイツで日本語を教えていて、ひとつ気づいたこと。
それは、ここの学生たちはプレゼンが上手ということです。
他の国の学生が下手ということではありません。
というのも、日本で教えていたときはプレゼンをさせるような授業は担当していなかったし、
学生たちのそういう一面を見たことがなかったから、比べようがないのです。
しかし、ドイツに来て口頭発表の練習をする授業を担当するようになって、びっくり。
日本語がぺらぺらな学生たちばかりではありませんが、聞く人をひきつけるのがうまいと思います。
今日は2人の女子学生が発表をしてくれました。
Kさんは、蜂蜜について発表してくれました。
パワーポイントで効果的に蜂蜜の成分や違いなどについて発表してくれた後、
「それでは、今から皆さんでテイスティングをしたいと思います。」と、
自分で朝買ってきたフランスパンと、家から持ってきたいくつかの種類の蜂蜜をおもむろに取り出して、
皆さんに配ってくれました。
ドアを開けて授業をしていたこともあって、近くを通りかかった、ぜんぜん関係ない学生まで入ってきて
「ひとくちいただいてもいいですか?」といって、食べて出て行くというハプニングも!
自由だなー笑
また、発表してくれたKさんの下の名前が、
古代ギリシャ語で蜂蜜という意味があるということも教えてくれました。
こんなこと、今日の発表を聞かなかったら、ずっと知らなかったと思います!
おいしくて、みんなが笑顔になる発表でした。
それからもう一人は、お父さまが庭師で、お母さまが薬草のスペシャリストというMさん。
お母さんは、無添加の薬草やスパイスなどを販売なさっていて、
国から賞をもらったこともあるんだとか!
彼女も、決して日本語はぺらぺらではないのですが、がんばって練習してきた様子が伺えます。
彼女の発表もとてもよかったです。
ドイツに難民が増えたとき、お母さまは、難民の方たちのために、
彼らのふるさとの味を再現しようとなさったそうです。
また、Mさんが日本語を専門に学ぶと決めたときに、日本ブレンドというのも開発されたとのこと。
今日はそのブレンドした3つのスパイスを持ってきて、紹介してくれました。
それが、これ。
ごま塩、ごま塩のり、ごま塩と一味のミックスだそうです!
これでおにぎり作ったらおいしそう!!
ラベルにはおそらくMさんがお母さまに教えてあげたであろう日本語「いただきます!」も載っていました。
なんだか、いいですね。
Mさんも、このようにして実物を持ってきてプレゼンしてくれたので、みんなは興味津々。
最後に、Mさんは、「これ、母から先生にプレゼントです。」といって、3つのごま塩シリーズをくれました。
お母さま・・・ありがとうございます!ありがたく、いただきますね!!
パワーポイントや写真だけではなく、学生たちは毎回何かしらこうして他の人の興味を引くようなことをします。
本当に上手だなと感心せずにはいられないひとときでした。
私も、学生たちの心をぐっとつかむ授業ができるように、がんばりたいと思いました。