2012夏内モンゴルの旅番外編1【モンゴル語の思い出】
12日間の内モンゴルの旅で一番悔しかったのが、
モンゴル語が分からなかったことでした。
あのきれいなモンゴルの文字をみても
何一つ読めなかったこと。
モモとスモモ(内モンゴル出身の学生)が、
モンゴル語でしゃべっていても、分からなかったこと。
自分の言いたいことが、カタコトでも言えなかったこと。
次に行くときには、絶対に、
文字が読めるようになっておこうと心に誓った私です

中国で買った、モンゴル語旅行会話の本。
いちばん右が中国語の漢字による発音。
中国語読みすればモンゴル語に近い発音に。
右から2番目が、よりモンゴル語に近い発音。
いちばん左が、モンゴル語の中国語訳。
さて、そんなモンゴル語といえば、
今回の旅で、こんな印象深いことがありました。
旅の後半に、
スモモくんの高校時代の友達の家に
ちょっとお邪魔したことがありました。
このお友達、目つきがとっても鋭く、
にこりともしない人でした。
スモモくんの話によると彼は軍人さんとのこと。
だから厳しい目つきなのかなあ・・・。
ほかの人とは談笑するのですが、
なぜか、私には絶対笑わない!!いや、睨まれてる!?
私のこと、気に食わないのかな?
スモモくんが私のことを「先生」と紹介していたけど、
もしかすると先生が嫌いなのかな、などなど考えてました。
睨まれるので、こわくて、
せっかく覚えた数少ないモンゴル語も
すっかり引っ込んでしまっていました。
挨拶も、「センバイノ(How are you?)」っていうのを
習っていたのに、つい「ニーハオ」と言ってしまう。
お茶を出していただいても「ありがとう」のモンゴル語が出てこず
「シエシエ」と中国語で言う。
中国語が悪かったのかなんなのか、
とにかく挨拶しようが、お礼を言おうが、
彼は私をギロッと睨むだけで、
全然返事もしてくれないし、笑ってもくれません。
こわいよ~涙
ああ、私は歓迎されざる客だったということね。
一刻も早くこの家から立ち去りたいわ、
と思って我慢して座っていました。
私以外のみなさんは、何を話しているのか、
さっきからえらく盛り上がってらっしゃいます・・・・。涙
早く帰りたいなあと思いながら、
でもそれも言えず、静かに座っていると、
にこりともしなかった彼が、
スモモ経由で「自分は、日本に行くかもしれない。」と言ってきました。
予期せぬ日本ネタに、思わず「おお!」と言いましたが、
実はこれはウソ。彼なりの冗談だったのです。
スモモの解説によると、
彼は軍人だから、行けるはずがないのです。
なーんだ。そうなのか。
その後も、私の目は全然みてくれなかったのですが、
しばらくして、今度もまたスモモ経由で
「先生、牛乳、飲んでって。」と、
パックに入った牛乳をすすめてくれました。
怖くて怖くて、早く出ていきたい一心でしたが、
さっきの「日本に行く」という冗談??と、
牛乳をすすめてくれたということで、
やっと私のモンゴル語も出てきました。
「バイルラ!」(ありがとう)
すると!!
さっきまで睨んでいた彼の顔から、微笑みがこぼれてきました。
彼が初めて私に微笑んでくれた瞬間でした







嬉しくて嬉しくて仕方がなかったのですが、
誰にも言えず、私は静かに下を向きました。
そうこうしているうちに、
彼の家を去るときが来ました。そう、次に言うのは・・・
「バイルシュテ」
さようなら、の意味です。
すると、さっきよりももっと
にっこりと笑ってくれました!!!
いやーん、笑顔が素敵~(笑)
全然笑わない人の笑顔って、なんでこうも貴重なんでしょうか
いや、ほかの人には笑っていたんですけどね?
私だけに、笑ってくれなかった彼ですけれども、
たった2コト、「ありがとう」と「さようなら」を言っただけで
こーんなステキな笑顔が見られるなんて!!
どんなに少しでも、下手でもいいから、
これから海外旅行をするときには、
そこで使われている言葉で挨拶と
お礼ぐらいは言えるようになりたいな、と思った出来事でした。
今でも、彼の鋭い目つきと笑顔が忘れられません・・・。
いつかまた、会いたいな。
そのときは、モンゴル語を勉強していくから、
どうか私も会話に参加させてくださいね。